現場はこんな状態【ボランティアの安全】実際のところ何が必要か

細切れの時間しかなく
被災地にいって一日作業しては、
翌日帰ってくる。
僕はそんな状態で、
先ほど人吉から自宅に帰りました。

幸い昨日は雨も降らず
一緒に作業した仲間も人数が多めでした。
ありがたい。作業も進んだ。

ただ、作業中ケガ人が出てしまいました。

僕らが午前中行ったのは人吉市大柿地区と呼ばれるエリア。
その昔、幕府の年貢を取りまとめていた庄屋さんの
ご子孫のお屋敷の掃除を手伝いました。


このエリア、「こんな状況になった」から
わかる事なんだと思うのですが、球磨川のまさに川の中にある
集落だと思いました。ハザードエリアです。

増水したら水没するのは当たり前の低い土地です。
逆にあえてそんなところに住んでいるという気がした。
地元の人の話では
昔は増水すると逆に「いろいろな恵みがあって嬉しい」
と喜んだとか。
例えば大量に魚が取れるとか、流されてきた土砂の
豊富な養分で田畑が豊かになるとか…

でも、今の時代は違います。


今回の増水は過去370年間の歴史の中でも
例のない規模、水量だったと子孫の方はおっしゃっていた。
かつて経験のない水位まで濁流がきたと。
幸い集落の方々は事前に避難して亡くなられた方は
居ませんでした。

もう一つ。
現在の汚泥は重金属などの有害物質を含んでいる
恐れがあります。もちろん破傷風菌、細菌、病原菌が
発生している可能性もある。

そんな状況でお屋敷の家主の方が、靴底の柔らかい長靴で
4センチほどある尖ったガラス片を踏みぬいた。
汚泥の中に隠れて見えなかった。大量の出血。
動脈を損傷している可能性があった。
水害の復旧作業は汚泥がある分、
とても困難と危険を伴うとつくづく感じました。

ヘドロを含んだ畳は大の男4人で運んでも重い。
下は泥で滑る。何度も転倒しそうになった。実際仲間の一人は
派手に転倒した。もしも、転倒した泥の中にガラス片や古クギ
刃物が埋まってたら?考えただけども恐ろしい。

また現在は非常事態です。地元病院は体調不良のかたケガ人で
フル稼働。普通に移動するのも瓦礫や渋滞で困難なのに
大けがしたりしたら、迅速な治療が難しくなる可能性がある。

ボランティアで復旧作業に参加してる方々には
常に危険と隣り合わせ。暑くなれば当然熱中症、
乾いた汚泥が粉塵となって目や口から入る。
細菌や有毒物質が含まれている可能性があります。

実際、その影響で腹痛や熱?などの感染症の疑いの
ある仲間のボランティアもいる。作業で体力を消耗して
免疫力が下がれば同様の方が増える。
現場独特の緊張感と重い空気で知らず知らずストレスも
貯めている。

今日も、明日も
僕の仲間は作業しています。雨の中、荷物出しをすると
言っていた。そんな彼らに何が必要か
まず彼らの身の安全を守る道具類(安全スパイク長靴、
分厚いゴム軍手、メッシュがついた雨具上下、ゴーグル、
マスク、できればヘルメット)かなと。

彼らは地元を守ろうと必死でやってます。
地元外からの応援の方々ももちろんですが。

託される義援金は被災された方々にも使われますが、
彼らのようなリスクを顧みず作業に当たっている
ボランティア作業者の安全にも当然使われるべき。


被害にあわれた方の思い出の品を大事にしながら
黙々と荷物の運び出し、掃除、復旧作業を手伝えるのは
自衛隊でも警察でも行政の方でもありません。


やっぱりボランティアの方々なんですよねー。


来週から梅雨明けの気配。
リアルな現場、被災地の状況を
よくよく理解したうえでの支援や配慮があると
安全で被災者の方に寄り添った復旧作業が進むかと
思います。

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