直接会い【繫がり】生の声を聞いて寄り添って初めて支援が始まる。

西日本を中心に各地で大雨による水害が出ています。
被害にあわれた皆様、心からお見舞い申し上げます。
コロナ過も続く中、まだまだ大雨も油断ができない
状況にあります。
是非、ご無理をなさらずに、ボチボチ
身体を休めながら復旧作業に当たってもらえればと
思います。

僕は熊本市在住で大雨による被害はありません。
が、サンバの仲間が住んでいる熊本県人吉市が
大きな被害を受けていると聞き、支援に動こうとしている
熊本県水上村の仲間に連絡を取りました。
高速が閉鎖になっていたので
川の氾濫のピークが過ぎた火曜日の夜から水上村に入り
仲間と合流、翌水曜日から人吉市内に入り復旧支援に
入りました。

火曜日の深夜も恐怖感を感じるほどの豪雨で
水上村でもがけ崩れや橋の崩落、家の倒壊、
孤立世帯が発生していました。
そんなタイミングで水上村に入ったのは無謀だったかと
正直、少し後悔しました。
球磨川の上流、市房ダムの状態も確認しました。
緊急放水が続いていました。

市房ダムの上流、水上村の川も氾濫していました。

この写真を撮っていた橋も数時間後崩落しました。

水曜日、人吉に向かう渋滞を超えて
球磨川の橋を渡り人吉中心街に入ると被害のひどさが
分りました。
鉄道の陸橋が崩落しています。
赤字が続いていた路線なので、おそらく復旧は難しいでしょう。
地元の生活に密着している路線です。国の支援が必須です。

復旧支援は仲間の一人の仕事のつながりがあるお家から
始めました。

見ず知らずのよそ者がいきなり
被害を受けられた方の家にいっても不審がられるだけです。
少しでも繫がりのあるところから始めることにしました。

作業を進めて話を聞いていると氾濫発生当時の生々しい状況を
知ることができました。朝7時から8時ごろに床上浸水が
始まったそうですが、そのスピードがあまりにも早かったと
おっしゃってました。目の前で隣の住人の方が流されて
亡くなられたと。憔悴しきっておられました。

こういう時僕らができることは本当に限られてます。

話を聞き、自分が提案できる情報があったらお伝えする。
あとは男手がとにかく必要。
水害による家屋の浸水は、地震よりも復旧に手間がかかると思う。
一回泥水が浸かった家や家財道具はほぼ使い物にならない。
住むのであれば大がかりな改修作業が必要。

泥だらけの畳や家具、壊れた大物電化製品を家の外に運び出します。
一つ一つがお家の方の思い出の品ばかり、解体作業のゴミ出しとは
違います。泥水でぬれたアルバムがあれば、一枚一枚写真をはがして
水で洗って、洗濯ばさみに挟んで干します。

黙々と作業しながら、荷物が少しづつ片付いていくと
お家の方の憔悴した顔に少しづつ生気が戻ってきます。
絶望感と疲労感の真っただ中にいる人にとって、
ともに寄り添いながら作業をしてくれる人の存在は本当に大きい。

二か所目は最も被害の深刻な九日町に行きました。
途中歓楽街を抜けます。コロナの影響で客足が遠のいて
やっと少しずつ平常運転に戻りつつあったところの豪雨です。
その絶望感は計り知れない。この影響で廃業するお店は多い
と思います。ここも国の支援が必須。

※コロナ対応で導入したバスの新車両10台が廃棄処分に。

知り合いのわずかなツテをたどり、小さな個人商店の
片付けを手伝いました。仲間と男三人で作業をしましたが、
濡れた畳や壊れた冷蔵庫、タンスは簡単には運び出せません。
床上浸水した部屋は滑ります。下手に頑張ろうとすればケガします。
その個人商店のオーナーさんの紹介で、そのエリアの
困っているご家庭を回りました。

行く先々で話を聞き、手伝ってほしいことを聞き、
黙々と作業していきます。皆さん九死に一生を得たと
おっしゃっていた。子供をゴムボートに乗せて自分たちは
泳ぐようにして逃げたと。
僕も震災の時経験ありますが、こういう時はアドレナリンが
出ていて、意外と普段以上に動けてしまいます。
でも、頑張りすぎると揺り返しのダウンが来る。
だから、そうならないように外部の人間が積極的に
作業負担を減らすべきなのです。
「ボランティアの受け入れは県内者に限る」とか言ってる
場合じゃない。
必要なところに必要な人的リソースがいきわたるように、
リアルな直接の聞き取り作業が必要。

ゴミ出し作業がひたすら続き、道路上や駐車場に
ゴミの山ができていきます。市の要請では災害ごみは指定の場所に
分別して持ってくるようにと言われているそうですが、車が浸水して
移動手段がないのにどうするのだ?と口々におっしゃっていた。
実態に即した行政の対応が必須と思いました。その実態や要望を
把握するためには「ちょろっと来て写真を撮る」だけでは
分らないと思います。作業中それらしい方が通り過ぎていきましたが。

ネットなど見ない高齢者世帯は特に被害状況の把握が難しいです。
僕らもたまたま声をかけた世帯に話を聞きましたが、
ほとんど荷物の運び出しができていないということ。
「助けてほしい」という声が上げずらい。「人に迷惑かけたくない」
という心理が働いて、こちらが話をして寄り添ってあげないと
本当に必要なことがわからない。

こういうとき「お互い様」の精神で助け合えるリアルな
地域コミュニティの存在が不可欠になる。
隣のおばあちゃんは全く顔だしてこないけど大丈夫だろうか?と。

ペットもいて避難所に行くこともできない高齢者世帯などは
きめ細かい支援をしなければ、物資もボランティアも届かない。
支援の網の目からこぼれ落ちる世帯がどれだけあるか?
それを無くす「現場に足を運ぶ対応」が必須。

これから災害ごみの処理も問題になってきます。
杓子定規に「分別して、もってこい的な対応」は現実に即していない。
路上や駐車場に置かれているゴミを行政がトラック出して回収して
回らなければ、衛生上も環境が悪化する。水害は特に。
環境が悪化すれば梅雨明けと同時に体調を崩す方が続出する。
所謂災害関連死と呼ばれるもの。これを減らすには
柔軟で大胆でリアルな決断とリーダーシップが必要。

僕はまた明日から水上村に入り、そこを拠点に人吉の復旧作業に
入りたいと思ってます。はっきり言って僕個人ができることは
たかが知れてます。数世帯の作業負担を減らす程度。それでも
そのお家の方の精神的な手助けにはなる。その繫がりを広げて
助けを必要とする他の人の状況を知ることができる。
その生の状況を伝えることもできる。
出来る限りのことはしたいと思います

また、こういう時人的支援以外に助かるのは
義援金かと思います。僕の仲間が義援金を募っています。

詳しい情報や問い合わせはこちら

⭐️振り込み先

*球磨地域農業協同組合 上球磨支所 普通 口座番号0120822 水上焼畑の会*

よかったらご支援ください。
どうぞよろしくお願いいたします!

というか、
ただのダンサーが何故こんなこと
してるのだろう?と。
人を助けるのは人、僕も人に助けられて生きている。
それを忘れてしまうのは人の驕りというもの。
Give first…No matter No return.

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