未来のサンビスタやサンバダンサーを生み出す仕組み。サンバの源はリオにある。

年が明けてから時間が過ぎるスピードが異様に早くなっている。
これは気のせいではなく、カーニバルのクライマックスに
向けて様々なことが加速度的に動き始めてるから。
僕自身も様々ポジションが決まり、
あとはひたすら準備を進めるだけになった。
もうブラジル滞在が半分過ぎようとしてる。
孤独?うーん。孤独は孤独だけど、
自分に必要なことを淡々と進めるには一人がいい。
ブラジル人の友人は増えてるけど。

昨日は日曜日。土曜日のエンサイオテクニコ(本番練習)の
疲れで、なかなか朝起きられない。
というか、日本に居る時は何時に寝ても
日課のトレーニングのために朝5時とか6時に起きていたのに、
今は8時にやっと起きる。それでも、まだ眠い。
朝寝坊ができるようになったのは、僕にとっては面白い変化。

朝、なんやかや用事をすませて、
最初に滞在したグロリアのフェイラ(朝市)に行きました。

目当てはコレ!!

Tapioca Queijo minas(タピオカ チーズ入り ミナスジェイラス産)!!!
これしか勝たん!!!!
相変わらず愛想のないネーさんが作ってくれるタピオカ焼き!
日本では粒々のしかイメージ無いと思いますが、
ブラジルでタピオカといったら…

これ!フライパンでタピオカの繊維を焼いて
色々な具材を入れて頂きます。しかも、この店はチーズ専門店。
チーズといったらミナスジェイライス産が最高。
モチっとしたタピオカの食感とたっぷりトロトロのチーズ…
チーズを食べてるかのようなボリューム。
これをキンキンに冷えたビールで食べるのです。
このためにだけフェイラに来るといってもいい。
ぜひお試しください。

その後は定番のビーチ。カリオカの三大好物(諸説ありますが(笑))
Samba、Cerveja(ビール)、Praia(ビーチ)!!
全てがここにある。

ビーチでパゴージ(路上サンバ)やってます。ビール飲みながら。
最高の日曜日を満喫している。これぞカリオカ!サンバの源の一つ!
なんて幸せなんだろう…

そのあとは一回自宅に帰って、エスタシオ(僕が所属?のサンバチーム)
のクアドラ(練習会場)に行きます。
前のブログでも書きましたが、子供サンバチームのお手伝いです。
コンセントラサォン(集合)17時と言われたので。
まぁ、例によってみんなのんびりですが。

土曜日は大人のチームのエンサイオテクニコ(本番練習)
日曜の夕方からは子供チームの本番練習があります。

ちっちゃい子たちがサプカイ(カーニバル会場)で本番練習。

当然他のチームの子供たちもいます。
これがブラジルのサンバチームの構造の一つ。
大人が趣味で集まってグループを作ることもありますが、
エスコーラ ジ サンバと呼ばれる正式なサンバチームは
必ずといっていいほど、Mirin(ミリン)と呼ばれる子供チームを抱えてます。
そこで子供のころからサンバチームの活動に参加してもらい
未来のサンビスタやサンバダンサーを育てていくんです。
だから子供とは言え、皆本気!見守る大人も「かわいい」と言いつつも
しっかりと子供をリスペクトしている。

ちょっと日本と違うところ?
子供だからと言って、変に甘やかしたり邪険にしたりしません。
小さい女の子にも、礼儀をもって手にBejo(キス)して挨拶します。
そりゃ、自己肯定感が高くなる。当たり前。
これもリオのサンバの源。

すっかりお父さんの顔になってしまってますが、
隊列が乱れると、しっかりと指示を出します。

他のチームも懸命に練習している。
まとっている衣装やバンデイラ(旗)の色で、母体のサンバチームが
どこなのか?すぐにわかるようなってる。
 
大人のパレードより若干短い距離で開催されます。

しっかりと見守りをする大人たち。終了後、一人親とはぐれた子供がいましたが
別の大人が手をつないで、最後までお世話をします。


ここはブラジルです。日本より遥かに治安が悪い。
サプカイ(カーニバル会場)のそばにも、
ちょっとしたファベーラ(スラム街)があります。
子供チームの練習は夕方から夜八時くらいまで。
この後大人のチームの練習がある。

時間帯は早くしてあるとはいえ、コミュニティ全体で子供たちに
細心の注意を払っている。ブラジルでは当たり前のこと。
虐待とか育児放棄とかありえない。

子供はコミュニティで守り育てるもの。

逆に言うと親一人で子供育てる訳ではない。
色んな大人が育児に介在している。
その中で子供は社会性と自己肯定感を身に着けていく。
サンバのコミュニティは、そのように成り立っている。
皆がいきなりスーパーダンサーやミュージシャンに
なるわけではない。全ての人が子供時代を経験して今がある。
リオの人にとってサンバが人生そのもの。
その原風景がここにあります。

そういえば僕が子供のころは似たような
コミュニティがあったなと。今はすっかり分断されている気がする。

現代日本が抱える問題の解決策は、地球の裏側ブラジルにあります。

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